写真に写っていない時間のこと
- 妻

- 6月25日
- 読了時間: 3分
「成人式も撮ってもらえますか?」
「七五三の撮影もお願いできますか?」
そんなふうにお尋ねいただくことがあります。
イツモノヒカリは、日々の暮らしや、なんでもない時間の中にある光を大切にしているフォトサービスです。
だからこそ、お客様からすると「記念日や行事の撮影もお願いしていいのかな?」と思われることがあるのかもしれません。
もちろん、七五三や成人式、入学式などの大切な節目も撮影させて頂いています。
ただ、私たちが大切にしているのは、特別な日を“きれいに残すこと”だけではありません。
その日を迎えるまでに、ご家族が一緒に過ごしてきた時間。毎日の中で積み重なってきた大切な関係。そういった、写真には直接写っていない時間までも感じられるように撮影したいと思っています。
以前、桜の季節にご家族を撮影した日のことです。

3人の息子さんが、桜を背景に横一列に並んで、すくっと立った瞬間がありました。
その姿を見たお母さんが、ふと
「大きくなったなぁ」
と、つぶやきました。
同じ家で暮らして、毎日見ているはずのお子さんたち。
それでも、あらためて写真を撮るために並んでもらうと、いつもとは少し違う見え方をすることがあります。
背の高さ。立ち姿。兄弟それぞれの雰囲気。お母さんの目に、その成長が一度に写ったのだと思います。
ファミリーフォトの撮影をしていると、七五三や入学式のような、少し着飾った日にお呼びいただくこともあります。
そして、そういう特別な日だからこそ、かえって普段の暮らしが見えてくる瞬間があります。
横に並んだときの距離の近さ。
転びそうになったお子さんに、自然と差し伸べられる手。
お互いを呼び合う、いつもの呼び方。
緊張しているお子さんを見守る、ご家族のまなざし。
そうした小さな仕草の中に、これまでの日々がにじみ出ているように感じます。
お母さんの「大きくなったなぁ」という言葉も、きっとその日だけの感想ではなく、毎日一緒に過ごしてきたからこそ、ふとこぼれた言葉だったのだと思います。
その言葉を聞いたとき、私も思わず頷いてしまいました。
この日を迎えるまでに、きっといろいろな日があったのだろうな。
うれしい日も、忙しい日も、少し大変だった日も。
その全部があって、今日のこの姿があるのだろうな。と。


記念日の写真には、着物や制服、桜や晴れの日の空気が写ります。
でも、そこに流れているのは、その日一日だけの時間ではありません。
その日までの時間。
家族で過ごしてきた毎日。
そして、これから続いていく時間。

写真には、目の前の一瞬だけでなく、そうした“写っていない時間”までも宿ることがあると思っています。
だから私たちは、七五三や成人式、入学式などの特別な日も、日常と切り離されたものとしてではなく、ご家族の時間の延長として大切に撮影しています。
きれいな記念写真として残すこと。
そして、数年後、数十年後に見返したときに
「あの頃、こんなふうに一緒にいたね」
と思い出せる写真になること。
そのどちらも大切にしながら、これからもさまざまなご家族と向き合っていきたいと思います。



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