あとから見えるもの
- 妻

- 6月5日
- 読了時間: 2分
先日の展示にお越しくださったお客様との出来事です。
作品をご覧になっていた途中で、その方の頬を涙がすっと伝いました。
ご本人も予想していなかったようで、
「まさか写真を見て涙が出るなんて……」
と驚かれていました。

私も隣で少し驚いてしまい、何か悪いことをしてしまったのかな、と戸惑ったほどでした。
後日メッセージをいただき、その理由を知りました。
その方は、ご自身のお子さんが小さい頃の子育てを振り返りながら展示を見てくださっていたそうで————。
“楽しさより忙しすぎた育児で、早く楽になりたくてイライラしてしまう事も多かったそう
けれど写真を見ていたら
「あの頃は本当にかけがえのない時間だったんだ」
ということを、改めて感じてしまい気づいたら、涙がこぼれていたと‥。

そのお話をうけて、私自身のことも思い出しました。
私は三人の子どもの母です。
思春期まっただ中の息子と娘。
そして十年以上の歳月を経て生まれてきた末っ子。
今だからこそ思うのですが、上の子たちが小さかった頃は本当に必死でした。
可愛いはずなのに余裕がなくて、
毎日をこなすことで精一杯。
もっと穏やかなお母さんでいたかったのに、そうなれない自分に落ち込んでばかりでした。
きっと、そんなお母さんは少なくないのだと思います。
子育ては愛情だけでは続けられないほど大変で、
だからこそ、その時間の価値は渦中にいると見えにくいのかもしれません。
家族写真を撮影していると、
成長したお子さんとご両親を撮る機会があります。
その姿を見ていると、
子どもたちは思っている以上に、お母さんやお父さんのことを想っているのだなと感じることがあります。
照れながらも自然と隣に立つ姿。
何気ない会話の距離感。
そこには長い時間をかけて育まれた関係が静かに流れています。

写真に写るのは笑顔だけではありません。
その家族が一緒に過ごしてきた時間や出来事。そして懸命さそのものが写り込んでいるように思うのです。
そんな気持ちが、レンズを通して写真の中から静かに立ち上がってくることがあります。
だから私は、これからも新しい気持ちでカメラを持ち皆さんの時間に寄り添っていけたらと思います。



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